沿線さんぽ

大和三山の一つ
耳成山を軽快にハイク

幹線道路に囲まれているものの駅一帯は静か。特に南側には昔ながらの家並みも残る。閑静な住宅街を抜け耳成山を登り、さらに南の藤原宮跡へと足を延ばす。

耳成駅

地域の人の足として、一日約3500人が利用。地下駅舎化されたのは昭和58年。耳成山は西へ500mほどと近く、その山容は駅構内からも眺められる。土・日曜はハイカーの利用も多い。

耳成山公園

耳成山南に広がり、桜の名所として有名。前に広がる池は古池だが、昔は西麓にもう一つ池があり、そちらでは昔、同時に3人から求婚された娘が思いあぐねて池に身を投げたことがあったという。その正確な場所などは不明だが、古池畔には残された男が悲しみ作ったという万葉歌碑が立つ。

耳無の 池し恨めし 吾妹子わぎもこ
来つつかづかば 水は涸れなむ

耳成山口神社

耳成山の八合目に鎮座。創建年代などは不明だが、正倉院の天平税調などにもその名は見え、延喜式神明帳には大社として記載される。祭神は大山祗おおやまつみ神と高御産霊たかみむすび神。鳥居や拝殿の扁額には「耳無山」とあるが、これは「耳成山」が「耳無山」と呼ばれていた頃の名残り。

耳成山

耳成山(耳無山)の名の通り、ほぼ凹凸がない美しい円すいの山。標高約140m、麓からの高低差約80mと大和三山の中で最も低く、登山道も整備されハイキングに手頃。毎日散歩がてら登る地域住民も多い。

藤原宮跡

持統天皇8年(694)~和銅3年(710)までの16年間、日本の政治、経済の中心として栄えた藤原京の宮跡。現在は広大な原っぱだが、大極殿跡の土壇が残り、また往時の様子は藤原京資料室の復元模型などで見ることができる。四季折々に花の美しい場所でもあり、7月下旬〜8月上旬は黄花コスモスや花ハスが見頃。

橿原市藤原京資料室

TEL/0744-21-1114
(橿原市総合政策部世界遺産推進課)
時/9:00~17:00(入室は~16:30)
休/月曜(祝日の場合は翌日)
¥/無料  P/あり

4’seasonフォーシーズン

2013年7月で10周年を迎えた同店。ランチは「地元夏野菜のナポリタン」や、「キタアカリと枝豆の冷静ポタージュ」など、季節感のある料理を隔週替わりで楽しめる。オリジナルの手作りスイーツも人気。散策の休憩に◎
TEL/0744-25-8248
時/9:00~17:30(LO)
休/月曜、火曜
P/あり

御菓子司 湖月こげつ

120年続く老舗の和菓子屋さん。同店では吉野葛を使った葛饅頭がお薦め。新作「はちみつレモン餡」は酸味と甘さのバランスと、みずみずしい葛の食感が爽やかな一品。定番のわらび餅や水大福もあり。涼菓で汗を引かせて。
TEL/0744-22-3915
時/10:00~18:00
休/木曜
P/あり
*この記事は2013年に取材した内容です