沿線さんぽ

駅であって駅でない?
不思議な駅の正体とは

大正12年の開業時は現橿原線の駅で、同駅が初代「八木駅」だった。大正14年に高田~八木間が開通(現大阪線)。昭和4年、桜井まで延長された際、現在の「大和八木駅」の位置に移転した。その後、同駅は「八木西口駅」に改名。
今井まちなみ交流センター華甍

八木西口駅

実は同駅は「大和八木駅」の構内扱い。駅舎もあって名称も異なるのに、旅客営業上は同一駅なのだ!

前出の歴史の経緯もあり、全国でも珍しい存在に。「同じ構内だから八木西口駅と大和八木駅間は乗り放題」とはいかない。160円の区間切符が必要だ。「同一駅だから入場券があれば乗れる?」。これも残念ながら不可。あくまでも入場のみ。

しかし、他駅から大和八木駅行きの切符で乗車した場合、八木西口駅でも下車できる。ちなみに同駅名が記載された定期券は存在しない。八木西口駅があるのが橿原市八木町。ちょうど町の西端に位置するのでこの駅名が付いたという。
駅北側、橿原線から左に分かれた単線 が、旧八木駅時代の大阪線の名残。現 在は大阪線への連絡線として回送列車 などが通る。
今井町に近いせいか、駐輪場の建 物も蔵風。

今井町

江戸時代の面影を残す今井町。称念寺を中心とする寺内町として発達し、現在も伝統様式を保った町家が数多く立ち並ぶ。散策にはまず華甍へ。町の模型や資料等があるので下調べをしてから出発を。

*この記事は2010年に取材した内容です