沿線さんぽ

古代の官道“中ツ道”周辺で、
地域に息づく史跡、商店を巡る!

ここは中世、周辺が東大寺領の千代庄であり、“千代”が“千栽”となり、“前栽”に三転したとされる。駅の西側には藤原京から平城京へと続く古代の官道“中ツ道”が通り、地域住民に親しまれる史跡が点在する。

前栽駅

駅西側に天理大学体育学部のキャンパスがあり、学生の利用も多く1日の乗降数は約3,900人。元は単線だった名残の1面2線の島型ホームへは、地下道で連絡する。夕方以降の改札業務は天理駅が遠隔支援で対応する。

八剱やつるぎ神社

五穀豊穣と邪霊退散、招福の守護神として地域住民に親しまれる古社。素戔男命に退治された八岐大蛇やまたのおろちが八つの神剱に身を変え、布留川の上流の八ツ岩に鎮まったとされる。貞観じょうがん年間に八釼神として同社でまつられたと伝わる。10月15日の秋祭りをはじめ大きな行事には、石上神宮の宮司と地域の年長者による十人衆により神事が行われる。

首切り地蔵

昔話『ジャンジャン火』に登場するお地蔵さん。戦国時代に龍王山に城を築いた十市遠忠が信貴山城主の松永久秀に攻め落とされた際に、成仏できない大勢の兵士たちの怨念が火の玉(ジャンジャン火)となり人々を襲ったという。火の玉に襲われた武士が刀で抵抗し、石地蔵の首まで切り落としたと伝えられる。

観音堂(元妙観寺)

観音講を中心に地域住民により保護・管理が行われる寺院。明治時代の廃仏毀釈きしゃく運動の際に、村民の手で守られた十一面観音立像(国重文)が祀られる。像高は244.8cmにおよび、ひのき材の寄木造りで、天平時代に造られた旧本尊(塑像)の心木が用いられている(さや仏)。穏やかな表情から他府県の仏像愛好家の拝観も多い。

チャイルドスクール

ドーム型の建物が目印、幼児から高校生までが学習に取り組むそろばん教室。パソコンを用いた学習システムなどの開発や、楽しく学べるアミューズメント方式の授業で全国から注目を集める。そろばんと珠算式暗算の学習で右脳・左脳の活性化にチャレンジ!
時/0743-63-5838
時/月〜金曜16:00~19:00
  土曜 9:00~11:00
休/日曜 P/あり
HP/www.childschool.jp

近藤豆腐店

国産大豆“フクユタカ”と伊豆大島の天然 “海精にがり”を使用し、こだわりの製法で作る豆腐店。「黒ごまおぼろ豆腐」は大豆本来のやさしい甘みに、黒胡麻の風味が広がる逸品だ。はちみつやあんこをかけてデザートにもおすすめ。
TEL/0743-63-6662
時/9:00~18:00
休/日曜 P/あり
HP/www.kondou-touhu.co.jp
*この記事は2014年に取材した内容です